2018年、中国個人所得税法修正案が可決され、2019年1月1日から全面実施された。基礎控除額の変更および適用税率テーブルの変更に加え、税務上の「居住者」の概念が明確化されたこと、そして新たに「専門付加控除」や確定申告の制度が導入されたことにより、2019年以降の個人所得税の申告納税実務に大きな変化が生じている。国家税務総局公布した「2019年度個人所得税総合所得の確定申告手続きに関する公告（意見募集稿）」（以下、「意見募集稿」）は、個人所得税改革の精神を受け継ぎ、納税者の税負担を軽減し、煩雑な申告手続きを改善するとともに、税務機関の徴収管理効率 を向上させる。

意見募集稿によって、１年間の給与及び賞与からその年に納めるべき税金（年税額）を計算し、給与及び賞与より既に控除している所得税の合計額から過不足の精算を行うことです。適用対象及び所得の種類は2019年1月1日から12月31日までに総合所得1（賃金所得、役務報酬、原稿報酬、ロイヤルティ等の4種類の所得）を取得した居住者個人。

中国は人口が多いため、源泉徴収義務者は個人所得税の徴収管理過程で極め て重要な役割を果たしている。意見募集稿は、源泉徴収義務者が納税者からの徴収代行依頼を受けた場合に申告を代行すべきであると明確に定めた。税務機関と 個人納税者をつなぐ架け橋として、源泉徴収義務者は従業員に対して政策を積極 的に宣伝して、総合所得の確定申告義務を普及し、かつ源泉徴収義務者の徴収代行手続きを適時に制定することで、確定申告業務が期日通りに完了することを確 保する。源泉徴収義務者は、源泉徴収義務を適正に履行するために、必要に応じ て専門機関の援助を求めることもできる。

2019年度の確定申告による還付税額と追徴税額=［（総合所得額-60000元-三険一金（厚生年金、失業保険、 医療保険及び住宅積立金）などの特別控除額-子女教育費などの特別付加控除額-その他法定控除額）*税率-速算控除額-2019年度源泉徴収税額